引っ越し当日、玄関を開けた瞬間に「あれ、ハウスクリーニング済みのはずなのに綺麗になってない…」と固まってしまった経験はありませんか。浴室の黒カビ、キッチンの油汚れ、エアコンから漂う異臭。高い家賃と引っ越し費用を払った直後だけに、怒りと不安が一気に押し寄せてきますよね。
結論からお伝えすると、ハウスクリーニングが綺麗になってないと感じた時は、入居後48時間以内の行動がその後の交渉結果を大きく左右します。本記事では清掃業のプロ目線で、賃貸入居者と業者直接依頼者それぞれのケース別に、やり直し請求の具体的な手順・法律的な根拠・管理会社への連絡テンプレートまで実践的にお伝えします。読み終わる頃には、今あなたが何をすべきか、誰に何を伝えればいいかが明確になるはずです。
ハウスクリーニングしてもらい綺麗になってない時は2つのケースで対処法が変わる
「ハウスクリーニングが綺麗になってない」という同じ悩みでも、実は対処の窓口・根拠となる法律・進め方がまったく違ってきます。最初にここを整理しておかないと、的外れな相手にクレームを入れて時間を浪費してしまうことになりかねません。
ここでは、あなたがどちらのケースに該当するのかを最初に確認していきましょう。自分の状況がわかれば、この後の章で読むべきポイントもはっきりします。

「賃貸の入居先が汚い」のと「業者に頼んだのに汚い」って、対処法が違うんですか?



そうなんです。窓口になる相手も根拠となる契約も全然違います。まずどちらのケースかを見極めるところから始めましょう。
賃貸 クリーニング 綺麗になってないケース(入居者向け)
これは新居に引っ越したばかりの方が直面するパターンです。賃貸借契約書には「ハウスクリーニング済みでの引き渡し」と記載があるのに、入居してみたら浴室にカビが残っていたり、換気扇に油汚れがびっしりだったりするケース。
このケースの一次窓口は管理会社または大家さんになります。清掃業者に直接連絡してもまず対応してもらえません。根拠となるのは賃貸借契約書と民法606条(賃貸人の修繕義務)です。後ほど具体的に解説します。
ハウスクリーニング 汚い 返金を求めたいケース(業者直接依頼)


こちらは自宅のエアコンクリーニングやキッチンクリーニングを自分でハウスクリーニング業者に依頼したものの、仕上がりが期待を下回ったケースです。料金を払って依頼したのに、汚れが残っていたり、雑な仕上がりだったり。
このケースの一次窓口は依頼した清掃業者です。根拠となるのは契約書・見積書の作業内容と消費者契約法・特定商取引法。国民生活センターのFAQによれば、契約書に記載された作業が行われていない場合は完全履行・返金請求の余地があるとされています。
ケース①賃貸入居者
窓口:管理会社・大家/根拠:賃貸借契約・民法606条/対応:賃貸借契約上の義務として再清掃を請求
ケース②業者直接依頼
窓口:依頼した清掃業者/根拠:契約書・見積書・消費者契約法/対応:契約内容の完全履行または返金を請求
ハウスクリーニングのやり直しを入居後にやるべき対処5ステップ【賃貸】


賃貸物件に入居してみたら、ハウスクリーニング済みのはずが思っていたより汚かった。そんな時、頭が真っ白になって何から手をつければいいかわからなくなる方も多いはずです。
ここでは、ハウスクリーニングのやり直しを入居後にスムーズに進めるための行動を、時系列で5つのステップに整理しました。48時間・1週間・1か月という区切りで考えると、優先順位が明確になります。順番通りに進めれば、やり直し請求の交渉力が大きく変わってきます。
ステップ1:48時間以内に写真・動画で証拠を残す
最優先で行うべきは、汚れの証拠を記録することです。入居から時間が経つほど「入居後の汚れ」と区別できなくなるため、ここで手を抜くと後の交渉で不利になります。
具体的には以下のポイントを押さえてください。スマートフォンで日付情報が記録される設定にしておけば、撮影日時の証拠としても使えます。
- 日付がわかる形で撮影(スマホの日時設定をオンに)
- 引きの全体写真と、寄りのアップ写真の両方を撮る
- 気になる箇所はすべて記録(後から追加は信用されにくい)
- 動画で部屋を一周流すと「全体の状態」が伝わりやすい
- エアコンは送風時の風と匂いも動画で記録すると効果的
ちなみにこの証拠写真は、後の退去時に「もともとあった汚れ」と「入居中についた汚れ」を区別する材料にもなります。敷金返金トラブルの予防策としても、入居時の記録はとても重要です。
ステップ2:賃貸借契約書・重要事項説明書を確認
証拠を押さえたら、次は手元の書類を確認します。賃貸借契約書と重要事項説明書のどこに何が書いてあるかで、交渉できる範囲が変わってきます。
特に確認したいのは次の3点です。
- 「ハウスクリーニング済み」「クリーニング実施済み」の記載があるか
- 清掃保証期間・再清掃対応の条件(記載がある場合)
- 「現状渡し」と書かれていないか
「現状渡し」と記載があっても諦める必要はありません。社会通念上、最低限の清掃水準は満たすべきとする裁判例もあります。とはいえ「ハウスクリーニング済み」と明記されている方が圧倒的に交渉しやすいので、まずは書類を確認しましょう。
ステップ3:管理会社にメール+電話で連絡(テンプレ付き)
証拠と書類が揃ったら、いよいよ管理会社への連絡です。ここで大事なのは電話で第一報+メールで証拠付き本送という二段階で進めること。
電話だけだと「言った言わない」が発生しますし、メールだけだと急ぎ感が伝わりません。電話で「これからメールで詳細を送ります」と一報を入れてから、写真付きメールを送るのが最も効率的です。



注意点として、感情的な物言いは絶対に避けてください。「汚すぎる!」「ありえない!」ではなく、淡々と事実を伝える方が交渉は有利に進みます。
具体的なメール文例はこの後の「連絡テンプレート集」の章にまとめています。コピペで使えるので、そちらを参考にしてください。
ステップ4:やり直し対応の可否・実施日を確認
管理会社に連絡したら、その場で「やり直し対応の可否」「実施日」「立ち会いの希望」の3点を確認しましょう。口頭での約束だけだと忘れられたり後でひっくり返されたりするので、必ずメールで書面化しておきます。
「○月○日までに再清掃を実施いただけるとのこと、確認させてください」というメールを送り、相手から「はい、その通りです」という返信をもらえれば、後々の証拠として強力に機能します。
再清掃当日は、できる限り立ち会うことをおすすめします。立ち会えば、その場で気になる箇所を指摘でき、もう一度同じやり直しを依頼する手間が省けるからです。
ステップ5:拒否された場合の段階的対応
残念ながら、すべての管理会社が誠実に対応してくれるわけではありません。「経年劣化です」「現状渡しと聞いていますよね」と拒否されることもあります。そんな時は段階的に対応していきます。
- 内容証明郵便で正式に再清掃または費用相当額の支払いを請求
- 消費者ホットライン188に電話し、最寄りの消費生活センターを案内してもらう
- 少額訴訟(60万円以下、簡易裁判所、原則1日で判決)の検討
- 法テラス等の無料法律相談で弁護士に相談
段階的対応と並行して、もう一つ現実的な選択肢があります。それは「対応を待つ間に、自費で別のハウスクリーニング業者に依頼して、後で費用を請求する」という方法です。生活環境を早く整えたい場合、これが最も時間を無駄にしません。
管理会社の対応を待ちきれず、すぐに清潔な状態で生活したい方は、自費で別業者に依頼して費用を後から請求する選択肢もあります。複数業者の料金・口コミを比較できるサービスなら、急ぎでも信頼できるプロを見つけやすいです。



賃貸入居後のトラブルは「48時間以内の証拠記録」と「管理会社への書面化された連絡」がカギ。慌てず、冷静に、事実ベースで進めましょう。
ハウスクリーニングが汚い場合、返金してもらえる?業者依頼時の対処法
自宅のエアコンや水回りクリーニングを自分で業者に依頼したのに、思っていたほど綺麗にならなかった。料金を払った直後だけに、納得いきませんよね。「ハウスクリーニングが汚い場合、返金してもらえるのか」というのは、依頼者にとって最も気になるポイントです。
このケースで重要なのは、「契約書に記載された作業が履行されたか」が判断基準になるという点です。国民生活センターのFAQでも、契約書通りの作業が行われていれば原則として返金請求は難しいとされています。逆に、明らかな未履行や手抜きの証拠があれば交渉余地は十分にあります。
作業当日:その場で立ち会い・指摘がベスト
最強の防御策は、作業完了時に必ず立ち会って、その場で気になる箇所を指摘することです。当日中であれば、ほとんどの優良業者は無料でその場で対応してくれます。
特にチェックしたいのは次のような場所です。
- 換気扇・レンジフードの内部(フィルターだけでなく羽根の裏側)
- エアコン送風時の風と匂い(送風ファンを汚れたまま組み戻すケースが意外と多い)
- 浴室のパッキン・目地・天井(カビが残りやすい)
- キッチンシンク周りの水垢・コーキング部分
- トイレの便器の裏側・床との隙間
作業後発見時:当日中〜翌日に業者連絡
立ち会い時に気づかなかった汚れを後から発見した場合は、なるべく早く(当日中〜翌日中)業者に連絡することが重要です。時間が経つほど「お客様が後で汚しただけでは?」という反論の余地が生まれてしまいます。
連絡する際は、必ず証拠写真を添付してください。文章だけだと状況が伝わりにくく、対応が遅れる原因になります。電話で第一報を入れてから、メールで写真付きの詳細を送るのが最もスムーズです。
契約書記載作業の未履行:完全履行・返金請求の根拠
業者対応の判断軸として、国民生活センターの公式FAQを引用しておきます。一般的には契約書に記載された作業内容が行われていれば、契約業務が履行されたことになり、依頼者がイメージしたような清掃ではなかったとしても支払い義務は生じるとされています。ただし、具体的に依頼した作業が行われていないなど事業者に落ち度があった場合は、作業の完全履行や返金などを求められる可能性があるとも明記されています(参考:国民生活センター消費者トラブルFAQ)。
つまり、交渉の出発点は「契約書・見積書に何が書かれていたか」になります。手元の書類を必ず見返してください。



「契約書には書いてないけど、当然やってくれると思ってた」という箇所はどう扱われますか?



残念ながらそれは交渉が難しい部分です。だからこそ、依頼前の見積書・契約書の段階で作業範囲を細かく確認するのが何より大事になります。
業者が連絡を絶った時:消費者ホットライン188
業者に連絡しても返信が来ない、対応を一方的に拒否された、というケースも残念ながら存在します。国民生活センターが2025年2月に公表した注意喚起資料でも、「エアコンの掃除を頼んだら壊された。弁償すると言われたが連絡が取れない」「換気扇クリーニングを依頼したら他の箇所も勧められ高額契約させられた」といった事例が紹介されています(参考:国民生活センター「ハウスクリーニングのトラブルにご注意」)。
こうした場合は、迷わず消費者ホットライン188(いやや)に電話してください。最寄りの消費生活センターを案内してくれます。専門の相談員が状況を整理し、業者への申し入れ方法や法的手段の選択肢をアドバイスしてくれます。
また、訪問販売や電話勧誘で契約した場合は、特定商取引法のクーリング・オフが使える可能性もあります。書面または電磁的記録の受領日から8日以内であれば、無条件で契約解除が可能です。
連絡が取れない業者には見切りをつけて、補償体制のしっかりした別業者に乗り換えるのも有効な選択です。口コミと実績を確認してから依頼できるマッチング型サービスなら、同じ失敗を繰り返すリスクを減らせます。
賃貸の場合、クリーニングが綺麗になってない時に使える3層の法的根拠
賃貸クリーニングが綺麗になってないと感じた時、交渉を有利に進めるための法的根拠を整理しておきます。ここを押さえておくと、管理会社が「経年劣化なので対応できません」と逃げようとした時にも、根拠を持って反論できます。
覚えておきたいのは、3つの法律・ガイドラインがピラミッド構造になっているという点です。
第1層:民法606条(賃貸人の修繕義務)
民法606条1項は「賃貸人は、賃貸物の使用及び収益に必要な修繕をする義務を負う」と定めています。ここで言う「修繕」には、入居可能な状態で物件を引き渡す義務も含まれると解釈されています。
つまり、社会通念上「人が住める状態」とは言えないレベルの汚れがある場合、それを綺麗にするのは貸主側の義務になります。これが交渉の最も基本的な土台です。
第2層:国土交通省「原状回復をめぐるトラブルとガイドライン」
国土交通省が公表している「原状回復をめぐるトラブルとガイドライン」は、賃貸住宅の退去・入居時のトラブル解決の指針として広く使われています。法律ではありませんが、裁判の判断基準として参照されることが多い権威ある資料です。
ガイドラインでは「経年変化・通常損耗」と「賃借人の故意・過失による汚損」を明確に区別しており、前者は貸主負担と定めています。入居前の段階で残っていた汚れは、当然ながら入居者の責任ではないため、貸主側で対処すべきという結論になります。



このガイドラインを引用するだけで、相手の対応がガラッと変わることがあります。「ガイドラインに照らして〜」というフレーズは効果的です。
第3層:消費者契約法10条(消費者に不利な特約の無効)
「現状渡し」「クリーニング不要」といった特約が契約書にあったとしても、それが消費者である入居者にとって著しく不利な条項であれば、消費者契約法10条により無効とされる可能性があります。
たとえば「どんなに汚れていても入居者は一切請求できない」というような条項は、社会通念上認められない可能性が高いです。特約があるからといって即諦めず、まずは交渉を試みる価値があります。
本記事の法律解説は一般的な情報提供を目的としたものです。個別の事案では契約内容や状況により判断が変わるため、最終的な判断は弁護士・消費生活センター等の専門家に相談することをおすすめします。
賃貸の場合、ハウスクリーニングはどこまでやってくれる?標準範囲とプロでも落とせない汚れ


「綺麗になってない」と感じる原因の半分くらいは、実は期待値とのズレにあります。賃貸ハウスクリーニングはどこまでやってくれるのか、プロでも落とせない汚れは何か、を正しく知っておくことで、不要なトラブルを防げます。
賃貸ハウスクリーニングの標準範囲を整理しておきましょう。
標準的に含まれる清掃箇所
賃貸の入居前ハウスクリーニングで、標準的に含まれることが多いのは次のような箇所です。
- キッチン(シンク、コンロ表面、換気扇外側、レンジフード外側)
- 浴室(カビ取り、水垢除去、鏡のウロコ取り)
- トイレ(便器、便座、床、壁面)
- 洗面所(洗面台、鏡、収納外側)
- 窓・サッシ・網戸
- 床(掃除機・モップがけ)
オプション扱いが多い箇所(エアコン内部・レンジフード分解)
意外と知られていないのが、次の箇所は標準プランに含まれないことが多いという事実です。
- エアコン内部洗浄(分解クリーニング)
- レンジフード内部分解洗浄
- 浴室エプロン内部
- ベランダ高圧洗浄
- 壁紙クリーニング
特にエアコンは、賃貸の標準プランでは「本体表面とフィルター清掃まで」というケースが大半です。送風時に異臭がする・カビが見えるといった場合は、本体内部のクリーニングが必要ですが、これは別途オプションとして依頼することになります。エアコンクリーニングを業者に頼む場合の注意点は、エアコンクリーニング業者選びで後悔しないポイントでも詳しく解説しているので参考にしてみてください。
プロでも落とせない6種類の汚れ
清掃のプロでも、物理的に落とせない汚れは存在します。これらを「綺麗にならない」と業者に詰め寄っても、お互いに不毛なやりとりが続くだけです。
- 素材自体の経年劣化による変色(プラスチック・ゴム部品)
- パッキンの奥に染み込んだ黒カビ(表面のカビは落とせるが内部は不可)
- 壁紙に染み込んだタバコのヤニ(張り替えが必要)
- 長年放置された頑固な水垢・尿石(部分的にしか落とせない場合あり)
- 金属の錆び(表面の研磨で軽減はできるが完全除去は困難)
- フローリングの細かな傷・へこみ
これらは原状回復・ハウスクリーニングの対象外です。気になる場合は管理会社に「該当箇所の修繕」として相談する形になります。
やり直し請求が通りやすい汚れ/通りにくい汚れマトリクス
実際に交渉する時の判断材料として、やり直し請求が通りやすい汚れと通りにくい汚れを整理しておきます。
| 分類 | 通りやすい汚れ | 通りにくい汚れ |
|---|---|---|
| キッチン | 換気扇の油汚れ、シンクの水垢 | コンロの焦げ付き、シンクの細かい傷 |
| 浴室 | 表面の黒カビ、鏡のウロコ | パッキン奥のカビ、ヒビ割れ |
| トイレ | 便器の尿石、便座裏の汚れ | 長年の黒ずみ着色、変色 |
| その他 | 髪の毛、ホコリ、明らかな汚れ残り | 経年劣化、素材の変色、傷 |
この表を見ながら自分のケースを当てはめて、交渉する箇所と諦める箇所を切り分けると、効率的に行動できます。
入居前のハウスクリーニングが汚い時の連絡テンプレート集
入居前ハウスクリーニングが汚いと気づいて、いざ管理会社に連絡しようとしても、どう書けばいいかわからない方は多いはずです。ここでは状況別に3パターンのテンプレートを用意しました。そのままコピペで使えますので、必要な箇所だけ書き換えてご利用ください。
軽度の汚れ報告メール(管理会社向け)
件名:【○○マンション○○○号室】入居時の清掃状態についてのご相談
○○不動産管理株式会社
○○ご担当者様
お世話になっております。○月○日より○○マンション○○○号室に入居いたしました○○○○と申します。
入居後に室内を確認したところ、契約時に「ハウスクリーニング済み」とご説明いただいた箇所に、いくつか汚れが残っている状態を確認いたしました。具体的には以下の箇所です。
・浴室の天井・パッキン部分の黒カビ
・キッチン換気扇内部の油汚れ
・トイレ便器の裏側の汚れ
状況がわかる写真を添付いたします。入居前のクリーニングでの再対応をご検討いただけないでしょうか。お忙しいところ恐れ入りますが、ご確認のうえご回答いただけますと幸いです。
何卒よろしくお願いいたします。
○○○○(電話:○○○-○○○○-○○○○)
電話で伝える際のスクリプト
電話での第一報は、感情を抑えて事実だけを淡々と伝えます。次のスクリプトを参考にしてください。
「お世話になっております。○月○日に○○マンション○○○号室に入居しました○○と申します。入居後に確認したところ、ハウスクリーニング済みと説明を受けていた箇所に汚れが残っている状態でした。証拠の写真を撮影しておりますので、これからメールでお送りします。再清掃のご対応について、ご検討いただけますでしょうか」
ポイントは「メールで詳細を送ります」と伝えること。これで電話だけのやりとりではなく、メールで記録に残る形になります。
やり直し拒否時の内容証明郵便文例
管理会社や業者がやり直し対応を拒否してきた場合は、内容証明郵便で正式に請求します。内容証明は「いつ・誰が・誰に・何を」伝えたかを公的に証明できる郵便で、後の法的手段の前段としても有効です。
通知書
私は、貴社が管理する○○マンション○○○号室について、令和○年○月○日付で賃貸借契約を締結し、同日入居いたしました。
契約および重要事項説明においては、入居前にハウスクリーニングを実施済みである旨の説明を受けておりました。しかし、入居後の確認において、別添写真のとおり明らかな汚れが多数残存している状態でありました。
つきましては、民法606条1項および国土交通省「原状回復をめぐるトラブルとガイドライン」に基づき、本書面到達後14日以内に、該当箇所の再清掃を実施いただきますようご請求いたします。万一、本期限までに対応いただけない場合は、法的手段を検討せざるを得ませんことを申し添えます。
令和○年○月○日
住所:○○
氏名:○○○○



内容証明郵便は法的効力を持つ書面です。文面に不安がある場合は、法テラス等の無料法律相談で弁護士に確認してもらうことをおすすめします。
信頼できるハウスクリーニング業者の選び方|次は失敗しないために


一度ハウスクリーニングでトラブルを経験すると、「次は絶対に失敗したくない」という気持ちが強くなりますよね。再発防止のために、業者選びで見るべき5つの軸を整理しておきましょう。
ハウスクリーニング技能士・ハウスクリーニング士の資格
ハウスクリーニングには国家資格と業界資格があります。代表的なのは「ハウスクリーニング技能士」(厚生労働省認定の技能検定)、「ハウスクリーニング士」(NPO法人日本ハウスクリーニング協会の認定資格)です。
資格を持っているスタッフが在籍している業者は、一定の技術水準が担保されていると見ていいでしょう。公式サイトに記載されていることが多いので、依頼前にチェックしてみてください。
損害保険加入・再施工保証の有無
万が一の事故やトラブルに備えて、損害保険に加入している業者を選びましょう。作業中に家財を破損された、エアコンを壊された、といったケースで補償を受けられます。
また「再施工保証」(仕上がりに満足できなければ無料でやり直す制度)がある業者なら、今回のような「綺麗になってない」トラブル自体を予防できます。マッチング型サービスでは、こうした保証制度を共通で提供しているところもあります。
相場の把握(極端な格安は避ける)
くらしのマーケットの2025年3月時点の調査では、空室時のハウスクリーニング料金相場は次のようになっています。
| 間取り | 料金相場 |
|---|---|
| 1K・1R | 18,000円〜25,000円 |
| 1LDK・2DK | 20,000円〜47,700円 |
| 3DK・3LDK | 33,000円〜72,000円 |
この相場から大きく外れた格安業者には注意が必要です。価格には人件費・洗剤・移動費・保険料が含まれているため、相場以下になるとどこかで手を抜かざるを得ない構造になります。「とにかく安く」だけで業者を選ぶのは、結果的にトラブルを招きやすい選び方です。
口コミと実績を比較できるマッチング型サービスの活用
業者選びでもう一つ有効なのが、マッチング型のハウスクリーニングサービスを使う方法です。複数業者の料金・口コミ・実績を一覧で比較でき、対応エリア・希望日時で絞り込めるため、急ぎの依頼にも向いています。
マッチング型と、ダスキンやおそうじ本舗のような直営・フランチャイズ型では、向き不向きがあります。
- マッチング型:価格の選択肢が豊富、口コミで業者を吟味したい人向け
- 直営・フランチャイズ型:品質の安定感、手厚いサポートを重視する人向け
「次は絶対に失敗したくない」「複数の業者を比較してから決めたい」という方は、累計作業数の多いマッチング型サービスを使うと、口コミ・料金・対応エリアをまとめて確認できます。再施工保証つきのサービスを選べば、万が一仕上がりに不満があっても無料でやり直してもらえます。
よくある質問(FAQ)
まとめ|ハウスクリーニングがきれいになってない場合、行動の優先順位タイムライン
ハウスクリーニングが綺麗になってないと感じた時、最も大事なのは時間軸を意識した行動です。最後に、賃貸入居者向けの行動タイムラインを再掲してまとめます。
- 入居後48時間以内:写真・動画で証拠を残し、管理会社に第一報を入れる
- 1週間以内:契約書を確認し、書面(メール)でやり直し請求
- 1か月以内:対応されない場合は内容証明郵便、消費生活センター(188)相談
- 3か月以内:少額訴訟・弁護士相談の検討リミット
業者依頼のケースでは、作業当日の立ち会いと当日中〜翌日の連絡がカギになります。契約書記載の作業が履行されたかが判断軸ですので、依頼前の見積書確認も含めて、書面ベースで進めることを徹底してください。
そして、トラブルを経験した後だからこそ、次回からの業者選びは慎重に行いたいところです。資格・損害保険・再施工保証・適正な料金相場・口コミの透明性、この5つの軸で業者を選べば、同じ失敗を繰り返す可能性をぐっと下げられます。



困った時こそ冷静に、事実ベースで、書面で残す。これさえ守れば、ハウスクリーニングのトラブルは必ず解決の道筋が見えてきます。あなたの新生活が一日も早く快適なものになりますように。
※本記事の情報は2026年5月時点のものです。法律解釈や実際の交渉判断は個別事案により変わるため、具体的な事案については弁護士・消費生活センター等の専門家にご相談ください。

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